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 みなさんは、夢創作が好きですか? 私は好きです。私の夢をいつも、いつでも、どんなものでも叶えてくれるから。

 物心ついた頃から、フィクションの世界に入り込むのが好きでした。自分にオリジナルキャラクターというドレスを着せて、原作世界を冒険したり、キャラクターと交流したり、時には味方に敵になったり、友人や恋人になったり。夢が夢と世間で呼ばれている事を知る前から、そんなことばかりを考えていました。私にとって、夢を考えるというのはそれほど自然なことでした。

 初めてインターネットで夢創作に触れた時のことは、正直なところ覚えていません。ただ、夢創作に触れ始めた頃にはもう、大手検索エンジンで「ジャンル名 夢小説」で探し回って、片っ端から読みふけっていたように記憶しています。当時はまだオタクとしての自我が薄く、また友人ともジャンルが合わなかったので(これは今もそう。みんな好きに生きてるので)あまり自分の考えている原作とは異なる世界の話を大っぴらに話す機会がなかったのですが、私の知らない世界のどこかには、私と同じ原作を好いていて、私と同じようにフィクションの世界に入り込むことが好きで、それに名前変換を付けて、どんな人でも同じように体験させてくれる創作として発信してる人が、こんなにもたくさんいることに驚き、深く感謝いたしました。

 ドリーム小説変換ツール「DREAM MAKER」を配布してくださってる方、その原型となったプログラムを組んでくださったどなたかのお父様、世界で一番最初に夢小説をインターネット上に載せてくださった方、本当にありがとうございます。あなた方のおかげで、私は今も夢を読んだり書いたりすることができています。

 さて、夢小説を読み始めて数年。それまでずっと読み専で、自分で考えた夢主の絵だけを描いて満足していた私も、ついにお話としての夢を書きたい! と思うようになりました。当時の私は夢主の絵は描けても原作キャラクターの絵には自信がなく、複数キャラクターの絡み(いわゆる夢絵)を描くのも苦手で、漫画も描いたことはほとんどありませんでした。だけど私の頭の中には、原作に沿った壮大な二次創作や自分で0から考えた一次創作がたくさんあって、どうにか形にしたい! アウトプットしたい! という思いは日に日に大きくなっていきました。

 漫画で描くのは難しい、でも小説という形態ならば、打ち込むことですぐにでも表現することができる! もしかすると嫌な気分になる方もおられるかもしれないのですが、当時の私は本当に、漫画より楽だからという理由で、小説を書き始めたのです。

 そこから10年以上経って、今では小説の方がメインの創作活動になってしまいましたが、やはり物語を考えること、それを紡ぐことというのは非常に面白くて、今は小説を書き始めて本当に良かったと思っています。最初に書いた文章も今読み返すと拙い出来ではあるのですが、熱意と衝動のままに書き散らかした文章は現在でもすごく魅力的に見えて、もう同じように書くことはできないのですが、この頃の勢いは大切にしていきたいと思っています。

 今、夢を取り巻く環境は、確実に変わってきています。幸い私の身の回りには夢を大っぴらに叩くような人はいなかったのですが、かつてのインターネット上では夢創作そのものや夢を見ている人を嘲笑し、叩くような人が大勢いて、それは夢界隈に今も禍根を残しています。

 私自身もそれを真に受けて、夢は隠れていなければいけない、他の二次創作に劣っているものなんだと思っていた時期もありました。でも、そうではないんですよね。夢だからって他のものより一層隠れていなければいけない理由はないし、二次創作の傾向そのものに優劣はないんです。

 かといって、夢が本当に世間に受け入れられているかどうかは、夢界隈の中にいる私からはわかりません。世間に対して何の配慮もする必要がないとは思っていません。どこまで大丈夫なのか、というのも判断が難しいところです。

 ですが、pixivのランキング上位に夢創作が並び、夢創作オンリーの同人誌即売会イベントが何度も開かれている昨今、自分が夢を愛好しているからと後ろめたい気持ちがあり、叩かれることを恐れ、必要以上に周囲を警戒し、閉じこもる必要はなくなっていると思います。

 だからどうか、自分が愛した夢創作のすばらしさを信じてあげてください。夢創作が好きであることに胸を張ってください。それがきっと、私をはじめ現在夢創作が好きな方、これから夢という概念を知って好きになってくれる方の希望になるはずですから。

 ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。私はユメカツに戻ります。人生ユメカツ!

夢はいつまでも見ていてよい

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